【T51R シリーズ】
シングルタービンとして高回転域で高出力を発生させるハイパワータービン。
ガス入口フランジからスクロールまでの断面形状を最適化:
円は同一面積の四方形と比較すると外周を短くすることができます。外周が短くなる,
つまり,壁面抵抗(※1)が少なくなり,高いタービン効率を達成できるのです。
T51Rは同一外周を持つ従来フランジ(RB20・RB25系純正フランジと同形状)と比べ,
面積を30%増加させました。それにより,損失を増やすことなく流量を30%増大させ,
小型・軽量化を達成し,800psオーバー対応としました。
(※1)壁面抵抗:流れている空気が壁面に触れることでその流速が遅くなること。
高過給時にもシール機能を損なわないVバンドフランジを採用:
従来のボルト(4本)留めでは部に高温による歪みが発生し排ガスもれが起きる
可能性がありました。T51RはVバンドで全周をはさむことによりシール性を大幅に向上しました。
高いタービン効率を得るためのスクロール断面形状を採用:
ターボハウジングの断面形状は,理想のガスの流れを追求し損失を最小限におさえました。
ターボハウジングに機械加工を施しターボチャージャー性能の安定化を実現:
T51Rシリーズはタービンホイールに効率よく排気ガスを導くために,鋳物のターボハウジング
に機械で追加工を施すことによって寸法精度を非常に高め,ターボチャージャー性能の
安定化を実現しています。
ターボハウジング入口フランジ口径の最適化&コンプレッサーハウジング出口口径の最適化:
T51R KAIで2.6L以上,T51R SPLで2.8L以上のエンジンに合うようにターボハウジング
入口フランジ口径の最適化を図りました。また,超高風量対応のための
コンプレッサーハウジング出口形状を採用しました。
無駄な排圧上昇を抑えるための出口テーパー形状を採用:
T51Rは損失も少ないテーパー角で出口形状を設計しました。
ターボハウジングにロータリーエンジンの高い排気温度にも十分耐えうる耐熱鋼を採用:
セッティングがとれている状態で,レシプロエンジンは約950℃,ロータリーエンジンは
約1050℃もの排気温度になります。レシプロエンジンに比べて非常に高い排気温度の
ロータリーエンジンにも耐えることのできる耐熱鋼を採用しました。
高いコンプレッサー効率を得るためのコンプレッサーハウジングスクロール内部形状を採用:
ターボハウジングと同じ考えでコンプレッサーハウジングにも円形状を採用しました。